All Small Things   2004年2月7日発行

サン・アドの同期でアートディレクターの青木克憲さんが毎年
作っているカレンダーにデザインユニット「生意気」Davidの
Art worksがある。ある日、Davidにその元となったものを見
せてもらった。それは、ただただ気のむくままに描いたという
落書きのようなノートだった。見てるとワクワクしてくる。
真似したくなった。家にあった使いかけのB6サイズのスケッチ
ブックに描き始めるとすぐに夢中になり、朝起きるとそのまま
蒲団の中に持ち込んで描いたり、電車の中、外のベンチ、あら
ゆるところで描き続け小さなブックは冊数を増やしていった。

  気負わず描けるように、あらかじめページを汚したりして、
なるべくなにも考えないようにして描いた。       
子供が絵を描くとき躊躇せずどんどん描きすすめるように。
何かのためではなく、ただ描く、無心で描く。       
後から眺めると他人の絵を覗き見するようでおもしろかった。

この作業をしてよかったのは、最初は表現されたものの生々
しさを受け入れられなくても、時間が経つとその危なさが大
したことじゃなく見えてきて、自分のことをようやくあきら
められるようになったことだ。人はどう思うのだろう。自分
の中身を見せたくなり、数人の方に見ていただいた。  

そのなかの1人、アートディレクターの岡本学さんが、これ
らの絵を角田光代さんの本の装幀として使ってくださった。
奥のほうにある何かが少し世間に顔を出してうれしかった。









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