All Small Things

サン・アドの同期でアートディレクターの青木克憲氏が
毎年つくっているカレンダーの中にデザインユニット 
「生意気」DavidのArt worksがある。       
ある日、Davidにその元となったものを見せてもらった。
それは、ただただ気のむくままに描いたという落書きの
ようなノートだった。                
見てるとワクワクしてきて、すぐやりたくなった。   
家にあった使いかけのB6サイズのスケッチブックに、描い
てると病みつきになり、その時期、朝起きてそのまま蒲団
の中に持ち込んで描いたり、電車の中、外のベンチ、あら
あらゆるところで描いた。              

  気負わず描けるように、あらかじめページを汚したりして、
なるべくなにも考えず描いた。             
子供が絵を描くとき躊躇せずどんどん描きすすめるように。
なんのためとかでなく、ただ描く。           
あとから眺めると自分が描いたようでなく他人を覗き見して
いるみたいでおもしろい。               

この作業をしてよかったことは、その時は受け入れられなくて
も、時間がたつとその危なさもたいしたことでなく思えてきて
自分のことをようやくあきらめて、受け入れることができた 
ことだ。人はどう思うのだろう。             
自分のことを少し認めることができるようになったら、人に対
しても不安がなくなって、自分の中味を見せたくなった。  

そんな時、デザイナーの岡本くんが本の装幀にこれらの絵を使
ってくれることになった。                
自分の奥のほうが、すこし世間に顔を出してうれしかった。 




2004年2月7日発行
発行:講談社
1200円(税別)



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